沖縄の帽子といえばクバ傘

沖縄の伝統が生んだクバ笠の魅力とは?

皆さん、こんにちは!モカです。
今日は沖縄の伝統的な帽子である「クバ笠」についてお話しします。
というのも、沖縄旅行でクバ笠に出会い、優れた機能性に感動した体験をしたからです。

クバ笠はクバの葉から作られた沖縄の伝統的な帽子で、畑仕事や漁などの労働時に使われている円錐形の帽子です。
クバというのは沖縄の方言で、ビロウという植物のことです。
沖縄では、神様が天上からビロウの木を伝って地上に降りるという言い伝えがあり、神木として信仰の対象にもなっています。
また、古くから人々の生活に密着した樹木として、クバ笠をはじめ、蓑や草履、扇の材料など、さまざまな日用品に利用されてきました。

クバ笠の特徴

クバ笠には、主に次の3つの機能が備わっています。
1つ目は太陽の日差しを遮る機能、2つ目は風通しが良く蒸れを防止する機能、3つ目は雨除けの機能です。
南国の日差しは強烈で雨も多いですから、沖縄の気候に最適な機能を兼ね添えています。
素朴な外見ですが、先人の優れた知恵が凝縮された帽子といえるでしょう。

クバ笠は用途や地域によって、形が異なるのも特徴です。
畑仕事用と漁業用の2種類があり、沖縄本島や久米島、八重山、与那国など、作られる地域によって形も異なります。
例えば、本島で作られるクバ笠は、ハルサー(農耕)用と、ウミンチュ(漁業)用のものがあります。
ハルサーは日光から頭部や首、肩を守るために頭部が浅く裾が広い形をしています。

これに対してウミンチュは、海風に飛ばされないように頭部が深く裾は狭くなっています。
かつてはサバニで漁業が行われていたため、ウミンュチュ用のクバ笠は、舟に入り込んだ海水をくみ出す道具としても活用されていました。

クバ笠の作り方

クバ笠は竹ひごを芯にして、クバの葉をぐるぐると巻き付けて作られています。
まず、クバの葉を乾燥させます。
カビが生えないように夏場では約1か月、冬場は約2か月かけて水気をしっかりと抜く必要があるのだそうです。

そして、蓬莱竹から竹ひごをつくります。
蓬莱竹は防風林として古くから親しまれてきた竹で、背が高くとてもしなやかです。
竹を割って皮をはいで竹ひごを作る作業は、とても手間が掛かります。

材料の用意が整ったら、編み上げていきます。
地域や用途によって使われる竹ひごの本数が異なり、多いもので18本、少ないものでは3本の竹ひごが使われており、一般的には裾の部分からクバの葉を編み上げていきますが、地域によっては頭頂部から編んでいくものもあります。
ひとつひとつ丁寧に編み上げられるクバ笠は、クバの葉と蓬莱竹のナチュラルな色合いと、涼しげな風合いが魅力です。
沖縄に出かけたら、ぜひ一度手に取ってみてくださいね。